研究
INTERPERSONAL DEPENDENCY INVENTORY Japanese Short Form(JIDI):その作成と検定について
Patricia McDonald-Scott
1,2
1New York Psychiatric Institute
2現:統計数理研究所
pp.451-460
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200994
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今日,ストレス度の高い社会環境に取り巻かれていることによって,燃えつき現象,抑うつ症候などの健康上の問題が,容易に発生することが認められてきた。それに伴い,このストレス過程に介在する社会的資源と個人における防御因子や脆弱因子が注目を集めている1-3)。このような個人特性は,社会支援ネットワークなどの資源の発展と維持に影響を与えるだけでなく,必要な時,いかにその資源を利用して,支援を引き起こすかということにも影響する。
これに関して,Hendersonら4)が,オーストラリアで行なった社会支援と神経症についての縦断的疫学研究がある。社会支援を,愛着と社会的所属性という種類の次元と支援の量(存在)と,それに対する満足度という次元に分けて,GHQで判定した神経症との関連を検討した。初回の調査で神経症の症例ではないものを追跡し,その間にケースになった者とならない者の支援の量と満足度を比べた。その結果,最も重要なのは支援の量ではなく,むしろ,存在している愛着や所属性が,その人にとって十分であるかどうかということであった。さらに,愛着と社会的所属性は,満足度からみた場合,相関関係が強いということが明らかになった。
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