焦点 文献検索の舞台裏
解説
看護分野における文献の検索—情報源とその活用について
山添 美代
1
1聖路加看護大学図書館
pp.231-240
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200875
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はじめに
学問分野の如何を問わず,研究活動を行なうには,そのテーマに関して,現在までの状況を知ることは必須であり,そのために私たちは,まず関連する文献を過去に遡って調べること(retrospective search)から始める。また,その一方で,自分が研究を進めている間にも,他でも関連する研究が行なわれ,自己の研究に役立つ知見が発表されると考えられることから,並行して新しい情報の収集(current awareness)に努めるのが普通である。
ところで,現代は「情報化時代」などと形容されるほどに,あらゆる面で情報が満ち溢れている。そのうち「文献」の形をもつ情報に限ってみても,それらは膨大な量にのぼっており,たとえば,医学分野において米国国立医学図書館(National Library of Medicine=NLM)が作成する医学文献検索提供システム「MEDLINE」の1981年以降のファイルには,150万件を越える文献のデータが蓄積され,利用されている。また,規模においては及ばないものの,日本の医学文献を対象として日本科学技術情報センター(以下JICSTと略)が作成した「国内医学」には,この5年間に27万件近い文献データが集録されているといった状況である。
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