焦点 臨床における看護研究の諸問題
Conference・素材
しおり配布による内視鏡検査不安の軽減効果
鎌倉 やよい
1
,
猪野 幸恵
1
,
新實 敏子
1
,
大野 勝子
1
,
入倉 里子
1
,
太田 和子
1
1愛知県がんセンター病院
pp.137-142
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200694
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
内視鏡の発達に伴い上部消化管内視鏡検査も一般によく知られるようになってきた。しかし,石川は「検査を受ける患者の心理状態は,依然として不安にみちたものであることにかわりはない」と指摘している4)。検査に対する不安が検査時の苦痛を増強させることも考えられ,不安をいかに軽減し,患者の安楽を図るかは,検査時の看護の重要な課題ともいえる。池田は「簡単な検査でも,複雑な検査でも,ともに患者自身,精神的な心の準備が必要であり,まして苦痛を伴う複雑な検査では,その比重が大きい」と述べ,検査前の看護婦の簡単な説明により検査に対する不安が軽減されると指摘している5)。
そこで,上部消化管内視鏡検査を受ける患者の不安を軽減する目的で,検査に関する知識を与えることを中心に作成したしおりを,予約時に配布し,検査不安が軽減されるかどうか,しおりの効果について調査した。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.