研究
病歴からみた医療過程における患者の状態把握についての一事例—医師と看護婦の比較
大河原 千鶴子
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.289-301
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200596
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はじめに
ある患者の看護実践の過程において看護上困難な問題が生じた場合,その原因を探り,対策を明らかにし,問題解決のための適切な方法を見出していくために,個別な患者の全体像としての状態把握が重要である。
そこで実際に問題をもつ患者がどのような過程にあって,看護婦がどのように患者の状態把握をしているのか知る必要がある。この患者把握のための情報源としては,記憶,ききとり(他人の記憶),記録などがあるが,それらの中で記録の果たす役割は大きい。患者に関する記録のうち,特に看護記録についての検討が数年来行われるようになり,現状における問題点が指摘されている2)-8)。
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