焦点 患者の精神生活にどこまでかかわるか・4
座談会
看護領域へのtool導入について—心理テストを中心に
池田 央
1
,
最上 キクヱ
2
,
門馬 かよ子
3
,
吉田 伸子
4
,
津田 佳世子
5
1立教大学社会学
2青梅保健所
3聖路加病院公衆衛生看護部
4千葉大学教育学部看護教員養成課程
5東京大学保健学科
pp.293-311
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200520
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看護活動の実証的根拠として看護情報の重要性が論ぜられているが,対象としての患者を把握するための患者情報の客観性が問題となる。科学性にとって,情報の客観性は不可欠の条件であるからである。とりわけ患者の精神心理的特性の把握に際しての客観性については種々の論議をかもしている。データと判断の客観化の方策の一つとして,toolの活用の試みがさかんになっている。しかし客観化は一方で規格化,一般化という特性を加味しているために,看護の対象把握の最も重要な特徴であるところの個別性を相殺する可能性を持っている。そのためにtoolの使用に否定的立場をとるものも少なくない。看護が指向する個別性がどのレベルを指すのか明確でないが,toolによるデータの客観性と看護の求める個別性との間の問題を明らかにし,看護領域において今後toolの使用に関してどのように考えていったらよいかの緒を模索する意図をもってこの座談会が企画された。<司会>
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