研究における追試の重要性を考える 
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    2つの論文を例として
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                津田 佳世子
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1東京大学医学部保健学科人類生態学教室
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.135-136
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1973年4月15日
                  Published Date 1973/4/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200340
                
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- 文献概要
 
看護における研究は,調査研究はもちろんの事,実験研究においても,研究対象や研究場面を人為的に変えたり,条件設定を厳守する事が難しい場合が多い。あまり厳密にこだわると,対象の選択も,場面の設定も不可能になってしまう。又,研究対象や条件の特殊性,つまり個別性が大きく,結果を左右する要因となりそうなものが多過ぎて,調査計画,実験計画が複雑になり過ぎる。それらの要因を人工的にコントロールしにくいため,ある現実の条件下で研究が行なわれる事になる。この場合,研究の結果から出て来た結論が妥当性,普遍性,再現性,蓋然性などを持つかどうか検討する事が極めて重要であると同時に,極めて厄介なことでもある。しかし,これを避けていたのでは研究の進展がみられないであろう。そこで,できるだけ多くの追試を試み,それらの結果を総合する事によって,結果の精密化を図り,再現性を確かめ,結論の妥当性,普遍性,蓋然性などを追究する必要が生じる。特に,従来真理だと考えられていたものがくつがえされるような結論が出された場合,はっきりした事は何もわかっていなかった事柄に対して,新しい説明や,より精密さを加えた説明がなされた場合,自分の進めていた考え方とは反対の考え方が出された場合などは,尚更追試の必要性がある。
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