Laboratory Practice 〈教育〉
論文の書きかた(その2)
大澤 進
1
1九州大学医学部保健学科 検査技術科学専攻 生体情報学講座 臨床化学研究室
pp.565-567
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101751
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論文の作成
論文の作成にあたっては実験を計画する前に,投稿する候補雑誌を決めておくことが望ましい.そして,原著,研究,症例,短報などの投稿区分を選択する.次に雑誌の投稿規定に沿った実験計画を立て,実験結果をまとめる.通常,投稿する雑誌の多くは学会会員でなければ投稿を受け付けないが,商業雑誌であればこの限りではない.ここでは原著に投稿することを例として,論文の作成手順について解説する.
原著は基本的に新知見を含み,オリジナリティーのあるものが求められる.初めての投稿であれば,商業雑誌や学術雑誌の短報や症例報告から手がけるのもよい.初めて書く論文の文章は長くなりがちである.科学論文は文学作品ではないので,極力簡潔にわかりやすく書くことが基本である.一つの文の長さは2~3行以内に収めることを心がける.
自分が報告した論文は国内外で公になり永く保存されることから,論文は実験事実に基づいて投稿することが最も重要であり,これを守らなければならない.実験をせず虚偽の実験結果を捏造し,報告することは許されない.また,信頼性の低い実験を行い,素早く報告しても,いずれ他の研究者が追試を行い評価され,実験の信頼性が問われることになる.投稿した論文は永久に残るものであるから,十分に吟味し,文章もよく推敲・校正して投稿したい.
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