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特集 第1回看護研究セミナー
講義
看護実践のための研究
Research for The Practice of Nursing
Rosemary Ellis
pp.309-314
発行日 1971年10月15日
Published Date 1971/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200313
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はじめに
私のある同僚がケースウェスタン-リザーブ大学の看護学部の歴史を書いている。この人はこの看護学部および大学から,あるいは大学病院の記録保存室から,いろいろな手紙とか文書を集め,また,この看護学部,あるいはこの病院が設立される前の古い新聞とか記録というものについても研究している。私もこの大学の前総長,あるいはそのほかのかたがたといっしよにその歴史をまとめるための諮問委員会のメンバーとなっているが,数週間前の委員会で私たちは,いま勤務しているこの看護学部をただ単にそれだけで独立した間題としてとらえるのではなく,看護という職場の発達における一般的,社会的な動きの一例として,その歴史を,どのようにしたら示すことができるかというようなことを討議したのである。
大学の総長はいろいろな分野あるいは職業に造詣の深い人で,この歴史において技術と理論,あるいは技術と科学の関係がどのようになっていたのかという図を示してくれた(図1参照)。人間の歴史のなかで,技術というものは,初期の時代からいつも科学いわゆる理論の先をいっていた。人間は私たちが現実にいろいろなものを説明するのに使っている力学の法則を知る前に,もう現実に重いものを動かすことができたわけである。また摩擦とか運動量という考え方を発見する以前に,ある物体を止めておかないでずっと,動かしておくほうが,その物体を再び動かすときにずっとかんたんであるということを知っていた。
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