資料
乳がん根治術をうけた患者のリハビリテーション-プログラム試案
小島 操子
1
1徳島大学教育学部
pp.253-261
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200254
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はじめに
わが国は世界で最も乳がんの少ない国とされているが1),最近になって増加の傾向がみられ2,3),その根治手術はいろいろ批判,検討され,術後後遺症である上腕運動機能障害に対するリハビリテーションもかなり本格的に考えられるようになってきた。しかし,実際にはまだ医師が治療の一環として患者に行なわせている例が多く,常に患者と接している看護婦が協力して,その効果をあげるまでに至っていない。
リハビリテーションを効果的に行なうためには,1)初期から段階的に目標に到達する一貫したものが必要である。2)常に個々の患者に合わせてそれを評価し,継続的,段階的に計画を進めていかなければならない。3)リハビリテーションの中心は患者であり,その目標達成のために患者,看護婦,医師,(物理療法士)の協力体制がなければならない。これらの条件を満たし,更に女性の象徴である乳房の切断という精神的にも非常に大きな打撃を受けている患者に,精神的な支えとなりながら,リハビリテーションを効果的に行なわせ,回復への意欲を高めるためにリハビリテーション-プログラムを作成し,実施を試みた。
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