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特集 実践科学としての看護学のための理論
第I部 一般理論
カンファレンス"看護における科学の本質"
看護の概念の展開
Evolution of a Conception of Nursing
Betty Jo Hadley
1,2,3
,
中西 睦子
4
1カルフォルニア病院看護学校
2カリフォルニア大学
3コロラド大学社会学
4神奈川県立衛生短期大学
pp.263-268
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200192
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私が述べようとしているテーマは,このカンファレンスにとってきわめて適切ではあるが,しかし,単純なことではない。というのは,私が10年かかってまとめたことを,短時間で話してしまわなければならないからである。私のテーマや,これまでの演者らのテーマをみて,おそらく次の点に疑問をもたれる方が多いかもしれない。どうして看護の概念というのか。看護の理論,あるいは理論の適用とか,看護のシステムとか,看護のモデルとしないのはなぜなのか。Mooreは"看護の理論をもとうとすることは,生物学の理論をもとうとするよりもっと意味のないことだ"と述べ,われわれがともすればそのように考えがちであることを指摘している1)。もし看護の科学に到達するとすれば――れは多くの中範囲理論thetheory of middle rangeから成立することになろう,という先の演者の考えに私も賛成する。しかし,いまだに,他の学問から看護の理論をうち立て,看護の現象の解明のためにその理論を適用する,といったことにわれわれが成功しているとは思われない。
看護の実践についての本質的な知識の実体は,他の学問の成果の総合からなるだろう,というJohnsonの考え方に私も同意しよう2)。しかし,何を総合するかということより,われわれのかかわっている現象をどうみるか,ということを先行させる必要がある。
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