研究
患者の観察について
大塚 寛子
1
1東京大学医学部第4内科
pp.282-287
発行日 1968年7月20日
Published Date 1968/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200074
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まえがき
患者のニードに基づいた看護を行なうためには,まず患者をできるだけ総合的に理解する必要がある。そのためには多面的な観察が必要であることはいうまでもない。医師とは違って,臨床の場では看護婦は24時間をとおして患者の身近かにあり,その行動を観察しうるユニークな立場にある。看護婦の機能の一つとして,患者のもつ顕在的covertおよび潜在的overtな問題について知ることの必要性をAbdellahら1)は強調しており,また,患者を一般化することなく,それぞれ独自な存在として認め,扱うことの必要性も多く述べられている2,3,4)。
患者のケアを改善する目的で,医療者側の患者に対する評価や態度について研究報告5,6)があるが,いずれも患者を理解するうえで,観察評価する側の主観と,実際に患者がもっている問題を理解し,対処することの困難さを示している。
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