連載 Words, words, words.─研究にまつわる知識と技法・words 16
批判的な態度 Being Critical
江藤 裕之
1
1東北大学大学院国際文化研究科
pp.482-487
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100957
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今年に入って,読書,コミュニケーション,対話について,先人から学びつつ,思うところを述べてきた。いずれも,身近なものであるだけに簡単なことのように思えるが,実はなかなかそうでもない。本を読み情報やアイディアを収集し,仲間とそういった情報や意見を交換し共有する,そして,そこで得た知識をもとに何かのテーマについて語り合う。こういったことに必要な技能はとても重要であり,いまを生きる私たちにとって,しっかりと身につけたい技術である。
研究や思索のために,いろいろな新しい知識を得て,そこから何かを学んでいくには,いつもアンテナを立てて,周囲の情報に敏感でなくてはならない。しかし,入ってくる知識や情報をすべてうのみにして,何でもそのままに受け入れることは考えものである。正しい情報なのか,意味のある情報なのか,そういったことを判断しながら情報を選んでいかなくてはならない。そのためには,私たちは日頃からどういう態度で情報や知識に接する必要があるのか。今回はそのことについて考えてみたい。
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