今月の臨床 一歩先行く超音波胎児検診
妊娠後期
1.胎児well-beingの評価
篠塚 憲男
1,2
1帝京大学産婦人科学教室
2帝京大学総合周産期母子医療センター
pp.618-621
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904339
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緒言
胎児が健康な状態であることを確認することは周産期医療の基本である.子宮内という閉ざされた環境にいる胎児からの情報を得る手段は限られており,現状では超音波という手法を用いて,胎児から得られる情報の一部から,全体の状況を類推しているにすぎない(表1).成人の健康診断の基本はまず身体計測で,これは胎児においても同様であり,超音波計測による胎児の発育評価,児体重推定による評価がwell-being診断の基本手技と考えられる.次に生理学的機能情報の評価ということになろうが,これは,心拍数モニタリング,臍帯動脈などの血流波形評価,羊水量の評価,また胎動,羊水量,心拍モニタリング所見を組み合わせたbiophysical scoringなどの所見を総合して判断しているのが現状であろう.以下,上記の方法および将来的なwell-being評価手法について私見を述べたい.
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