連載 看護研究の基礎 意義ある研究のためのヒント・第6回
対象の設定・サンプルサイズ―Sampling and Sample Size
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.704-710
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100605
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何(誰)を対象にするかは,研究の基幹をなす。適切な対象を調べなければ,適切な解答は得られない。にもかかわらず,適切な標本抽出法が実施されることも,論文のなかで標本集団の適切性が論じられることも,いまだ多くないのが現状である。また,対象にかかわるもう1つの大きな問題として,サンプルサイズがある。仮説のある量的研究を計画する場合には検出力分析(power analysis)を行ない,有意な結果を得るのに必要なサンプルサイズを確保する必要がある。特に実験的研究では検出力分析が不可欠であるが,なぜか日本の教科書では,そのことが十分述べられてこなかった。今回は,標本抽出の方法を概観し,サンプルサイズの設定について紹介する。適切な標本抽出が実施されなければ,その後の努力はすべて水の泡となってしまう。
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