焦点 看護ケアの質評価と改善─研究の成果と今後の発展に向けて
【NDNQI®について】
―翻訳―全米看護の質指標データベース(NDNQI®)のための看護の質指標の開発
Nancy Dunton
1
,
坂下 玲子
2
1University of Kansas Medical Center, USA
2兵庫県立大学看護学部
pp.344-348
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100456
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はじめに
1990年代,資金頭割りの医療保険支払いシステム(訳者註:利用者1人あたりの年間費用を決めその範囲内で医療・福祉経費を賄う制度)が拡大され,多くの病院は正看護師の数を減らすことで,病院運営の費用を念出しようとした。その結果,米国看護師協会(American Nurses Association ; ANA)は,看護職を守り,患者ケアの質と安全を保障するために看護の価値を定量化することが必要であると考えた(ANA, 1999b)。
予備的に指標の選択とデータ収集の実現性を検討した後,ANAは全米看護の質指標データベース(the National Database of Nursing Quality Indicators® ; NDNQI®)の開発と維持のための契約を交した。このパイオニア的な事業の結果,全国的なデータリソースが生まれ,病院での看護ケアの質と看護師の労働環境の改善に大いに貢献している。また研究者らは,看護の特徴と,看護を鋭敏に反映するアウトカムの関連について量的に示すためにNDNQI®を用いている(www.nursingquality.org/WebEvents.aspx for a list of NDNQI® publications)。
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