焦点 看護ケアの質評価と改善─研究の成果と今後の発展に向けて
扉
上泉 和子
1,2
1青森県立保健大学
2青森県立保健大学健康科学部
pp.328
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100453
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1993(平成5)年に,厚生省看護対策研究事業として「看護ケアの質の評価基準に関する研究」という課題に取り組みはじめてから17年が経過した。“看護ケアの質とは何か”という壮大な課題に取り組んだことが本研究の出発であった。以来,看護ケアの質はどのように“測る”か,測定したデータをどのように“評価”するか,そして,2008(平成20)年からは質の評価に基づきどのように“改善”に活かすか,という課題に発展的に取り組み現在に至っている。これら一連の研究は,「看護QI(Nursing Quality Improvement)研究会」を組織して活動を継続し,幸いにも研究補助金をいただくことができ,本研究を発展させることができた。また,このプロセスでは研究課題を探求するための方法の開発を並行して行なってきた。本号でもこれまで,第28巻4号(1995年),第29巻1号(1996年),そして第31巻2号(1998年)などで成果を発表してきた。
一連の研究内容と成果を概観すると,当初の研究では,質評価基準の探求の後,現場を訪問して評価するという,第三者による評価ツールを開発した。しかしこの方法は,評価者の確保,訓練,費用の面から大きな転換を求められた。その結果,インターネットを用いた自己評価型「Web版看護ケアの質評価総合システム」の開発に至り,指標の見直しを加え,運用に至っている(http://nursing-qi.com/)。
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