焦点 看護研究における倫理を再考する
[日本の研究倫理審査の現状と課題]
倫理審査を行なう側の立場から
高田 早苗
1
1神戸市看護大学
pp.421-424
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100258
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筆者は,現在3つの研究審査委員会に関わっている。所属大学の倫理委員会と,○○病院の治験委員会ならびに臨床研究審査委員会,△△病院の××研究審査委員会である。本稿では,タイプの異なる委員会のメンバーとして審査に携わってきた経験から,研究の倫理審査について日頃感じていることを悩みや迷いも含めて,できる限り率直に述べることにする。ここで述べることは,これら3つの委員会の公式の考えや立場を代表するものではむろんなく,委員としての筆者の個人的見解であることをお断りしておく。
この3つの委員会は,その性質が異なっている。大学のほうは倫理委員会であり,研究の倫理面を審査するが,病院のほうは両方ともに治験・臨床研究の科学的妥当性と倫理面を全体として審査する。委員構成も大学は看護職が中心であるが,病院のほうは医師が中心である。
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