焦点 看護研究における倫理を再考する
研究者のモラルとミスコンダクト
勝原 裕美子
1,2
1聖隷浜松病院
2第8期日本看護科学学会看護倫理検討委員会
pp.411-419
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100257
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
問題提起
研究者には,良質の研究を実施し,その成果を社会に還元することが求められている。良質とは何か。役に立つこと,学問の発展に寄与できること,新しい何かを見出すこと,汎用性が広いこと等々。よいかどうかを決める物差しはさまざまにある。だが,すぐに役立たないからといって,学問の発展にめざましい貢献ができないからといって,目新しくないからといって,あるいは汎用性に乏しいからといって,悪い研究とはいえない。研究資源やフィールドや目的が研究者によって異なっているからだ。
別の角度からみれば,研究者の能力によっても研究が良質かどうかは議論されてきた。例えば,先行文献は英語ジャーナルも含めて体系的に検討されているか,妥当な研究手順を踏んでいるか,分析方法は適切か,結果の解釈は洞察に富んでいるかといったことである。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.