焦点 看護における学術集会―意義・歩み・運営の実際
学術集会運営とそのヒント
会計担当の役割とその実際
竹崎 久美子
1
1高知女子大学大学院博士後期課程
pp.105-115
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100185
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運営組織における会計の位置づけ
本稿では,学術集会運営組織における会計担当者の役割やその業務の流れなどについて明らかにする。運営組織のありようは学術集会の慣習や,大会長の組織運営方針により,少しずつ内部の役割分担が異なるものである。その意味で,多少他稿に記述された委員会の役割と重複する内容があるかもしれないが,ここでは会計担当が本来担うべき,あるいは掌握すべき内容と考えられる役割について述べたいと思う。
会計担当の役割には,さまざまなレベルの認識があるだろう。しかし単なる「帳簿管理係」と考えると,主要会議の席から足が遠のいてしまい,結果的に全体がみえなくなる。もちろん,会計はあくまで金銭出納を管理することが役割であって,お金の使途やプログラムを左右する権限はもっていない。しかし,全体の出納バランスを掌握する責任と,学術集会を損益なく遂行するためには何を大事にしたい学術集会となるかについて常に知っておく義務があるだろう。「監査」はほかに存在するが,日々の運営の段階から全体に目を配り,適切な出納管理が行なわれるよう,大会長や庶務担当,各委員会との連携をもたなければならない役割にあるのが会計担当である。
なお本稿では以下,単年に開催される学術集会または年次大会を「学術集会」,学術集会長を「大会長」,学術集会を主催する母胎学会を「本学会」と称する。
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