特集 企業会計の反省
現在の病院会計制度の問題点—会計学的立場から
針谷 達志
1
1病院管理研究所
pp.27-32
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204143
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はじめに
現在の企業会計制度の問題点というためには,最新のテーマを選ぶことが必要であろう.‘会計とは,経済諸力を財務尺度によって測定し,その測定の結果を利害関係者に伝達する行為である’--近代会計の完成期に,ペイトンがこう述べて以来,測定と伝達は会計職能の中心機能となった.測定と伝達をいかに行なうかは,まさに古くして新しい問題である.
ひとくちに企業会計といっても,それは普通,財務会計と管理会計に区別される.財務会計とは,資本提供者としての開設打や債権者,その他病院の管理・運営に直接には参加しないが,病院の経済活動に関心をもつ人びとに対して,それぞれが必要とする会計情報を提供するための会計をいう.これに対し,経営者に,経営管理に必要な情報を提供するための会計を管理会計とよんでいる.企業会計制度という場合の会計は,このうち,もっぱら財務会計の分野をさすことが普通である.
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