焦点 目的重視型保健師活動モデルの開発過程とその成果
「目的重視型保健師活動モデル」開発目的とそのプロセス
村嶋 幸代
1
,
田口 敦子
1
,
麻原 きよみ
2
,
安齋 由貴子
3
,
宮崎 紀枝
4
,
佐藤 憲子
3
,
酒井 太一
3
,
有本 梓
5
,
吉岡 京子
5
,
大森 純子
2
1東京大学大学院医学系研究科
2聖路加看護大学
3宮城大学看護学部
4東邦大学医学部看護学科
5東京大学大学院医学系研究科博士後期課程
キーワード:
保健師活動
,
活動モデル
,
モデル開発
,
コミュニティ
,
用語
Keyword:
保健師活動
,
活動モデル
,
モデル開発
,
コミュニティ
,
用語
pp.437-442
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100034
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開発目的
保健師の仕事は,とても目にみえにくい。その理由は,扱っている対象が,予防,すなわち顕在化する前の潜在的な健康問題であったり,地域のケア資源やシステムの開発だったりするからであろう。前者は,「相談」や健康診断の事後処理という形で開始されることが多い。また,後者は,市民や関係者に接することによって問題点を見いだし,情報を収集・集約・資料化して関係者が共有化し,条例化・施策化・予算化することによって遂行されていく。これらはいずれも,形として表現したり,目にみえるようにすることが困難な行為である。
このような難しさがあるため,行政保健師の活動は,長らく「業務分類」で記録され,整理されてきた。業務分類は,保健師の業務を,家庭訪問,健康診査,集団教育といった行為に基づいて分類するものであり,保健師が従事した仕事の分類としては使いやすい。このため,業務分類は,長く保健師活動の統計(月報・年報)に採用され,教科書等にも紹介されている。しかし業務分類はあくまで保健師の行動の記録であり,保健師活動の意味がみえにくいと指摘されてきた。また,地区活動や地域看護管理といった,さまざまな行為からなる保健師活動についても,表現しづらいという難点があった。
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