特集 産む人を中心にした帝王切開
痛みを予防し回復を促進する入院中の身体の使い方
平岡 仁美
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1医療法人社団愛友会上尾中央総合病院リハビリテーション科
pp.370-380
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202175
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産婦人科の理学療法の重要性
理学療法士は身体的症状に対し適切な評価をもとに治療をする専門家である。例えば痛みに対して,体のどの部位をどのように動かすとどのような痛みが出るのか。それを細かく分析し運動処方することが理学療法士の役割である。妊娠期の体は10カ月の間に大きく変化する。産後もすぐには非妊娠時の体に戻らず不調が持続する場合もある。妊娠出産は,体形の変化に加え,アライメント(各関節や骨の並びのことを指す)や重心位置の変化,ホルモンの影響による筋・筋膜の変化など非妊娠時と比較し変化する部分は多く更に個別性もある。アライメント不良や重心変化による疼痛に対し,正しい姿勢の指導や体の使い方,体に負担のかからない環境設定などは通常の診療で行っている理学療法の業務である。妊娠中のマイナートラブルでよく言われる,腰痛や肩痛,恥骨痛などの運動機能の問題や,骨盤底機能障害に対して理学療法士が対応できることは多い。
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