特集 What's new? 最新情報をお届けします! 『乳腺炎ケアガイドライン2020』ダイジェスト
乳腺炎と診断するまでの情報収集と鑑別診断
武市 洋美
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1三茶助産院 桶谷式母乳育児相談室
pp.728-729
発行日 2020年10月25日
Published Date 2020/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201633
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はじめに
母親は,母乳分泌不足,乳頭の損傷,吸着困難,しこりや痛みなどさまざまな母乳育児上のトラブルを抱えて,施設の母乳外来や地域の助産所に来所します。トラブルの多くは,母親の持つ治癒力を促す助産師のケアによって改善していくものです。しかし,中には医療を必要とする事例があり,治療の時期を逃すと重症化し,母乳育児を断念する結果となる場合があります。
最初に母親に接する助産師は,情報を集め,吟味し,的確に鑑別し診断ができる力が必要とされますが,産後1週間の支援の経験しかない母乳外来新米の助産師には,大変荷が重いことでしょう。そこで本ガイドラインでは,経験が浅い助産師も,母親が“発熱”,乳房の“腫れ”“しこり”“痛み”を訴えて来所した時,どのように乳腺炎とその他の疾患やトラブルとの鑑別を行い,診断をつけていくのかを,段階を追って学ぶことができるように記載しました。
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