連載 りれー随筆・419
産婆の技を次世代につなぐ
東 直美
1
1あずま助産院
pp.1064-1065
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201430
- 有料閲覧
- 文献概要
助産師になったきっかけ
助産師免許を取得して,32年が過ぎました。あっという間だったように思います。看護婦として3年と少し働いてからの助産婦学校への進学でした。看護婦になって,整形外科病棟2年,小児科病棟1年を経て,翌年産婦人科の混合病棟に配置転換となり,たった1年で小児科から産婦人科へ転換となったことが納得できなかったのを覚えています。
そんな気持ちを引きずりながら働いていたせいか,出産や産後のケアに関わることが日に日に億劫になり,苦痛になっていました。陣痛で苦しむ妊婦さんにどう手を差し伸べればいいのか,産後には何が必要なのか,具体的に動けないもどかしさが余計にその思いに拍車をかけたのかもしれません。当時,頭の中では仕事を辞めることしか考えていなかったように思います。「さて,どうやって辞めよう?」「寿退社は相手がいないし無理」「進学するしかないか……」と考えが行き着き,進学の道を探し始めたのです。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.