連載 宝物,教えてください・23
学びの原点の教科書
春名 めぐみ
1
1東京大学大学院
pp.901
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200896
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これまで使ってきた教科書の中で,唯一手元に残していたのが,この母性看護学と産科学の教科書です。ある時,祖母から「曾祖母は東京で産婆をしていて,芥川龍之介の子どもをとりあげたこともある人だったんだよ」という逸話を聞いてから,漠然と助産師に憧れて,看護の道に進みました。私にとって看護はあくまでも通過点のつもりでしたが,看護学,特にこの母性看護学との出会いは,生まれて初めて,「学ぶことは面白いことなんだ!」という気づきと感覚をもたらしてくれるものでした。
今は曲がりなりにも教員として看護や助産を次世代の人たちに伝えていく立場にあります。こうして振り返ってみると,今の仕事の原点がこの緑のハードカバーの教科書にあるように思います。それが捨てずにもっていた理由なのかもしれません。
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