実践報告
妊娠期の講義終了後に感じたこと—助産学学習の初期段階に成長したことと学び
藤田 小矢香
1
,
狩野 鈴子
1
,
濵村 美和子
1
,
嘉藤 恵
1
1島根県立大学出雲キャンパス別科助産学専攻
pp.516-523
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200230
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
山内らの助産学生を対象とした調査1)では,ICM「基本的助産業務に必須な能力」の4領域(妊娠期,分娩期,産褥期,新生児期)のケア項目のうち,学習達成度がいちばん低かったのは,妊娠期のケアであった。その理由は妊婦に個別的に接する機会が限定されるため,学習の反復ができないからだと推察されている。また,津間らの報告では,妊娠期の実習を通した助産学生の学びの内容として「専門的な技術の実践を通して対象者を深く理解する」「参加者が自ら学び主体的に親になる役割を身につけていく過程を支援する」の2つのカテゴリーで構成されていた2)。
本学においても,全国助産師教育協議会のミニマム・リクワイアメンツ3,4)を指針とし,終了時の到達目標を設定し講義・実習を組み立てている。マタニティサイクルの学習は春学期に講義・演習形式で行なっている。
専門的な技術の実践を行なうためには,対象者の理解,知識と技術の研鑽が不可欠である。実践に向けて主体的に学ぶ力を育成し,課題を自ら解決する基礎知識を習得するには,学内での講義・演習で学生が何を学んだと感じたのか,成長を感じ実践に期待している内容は何かを明らかにする必要がある。助産学生を対象とした調査に,助産学学習の初期段階である妊娠期の学習内容についての学びを分析したものは少ない。
そこで,本報告では,助産学生が妊娠期の講義終了後に感じた「妊娠期の学び・成長したところ」を調査によって明らかにし,今後の助産学学習の初期段階における学習の進め方を検討する。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.