特集 科学的根拠からみなおす助産技術
【緊急時の手技】
9.ショックインデックスとバイタルサイン
進 純郎
1
1聖路加国際大学
pp.410-412
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102796
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産科に出血はつきもの
“Obstetrics is bloody business(産科は出血を扱う仕事)”と欧米でいわれているように,分娩に際して出血は避けて通ることのできないものです。産科救急において第一に出血対策が挙げられるのも理解できます。
出血を伴った救急の場では,ショックインデックス(Shock Index:SI,ショック指数)が汎用されています。緊急時にできるだけ素早く病態を確認し対応するために,たいへん役立つ指数です。分娩時の出血では羊水と出血が混ざり合い正確な出血量を算出することが困難なうえ,出血直後より輸液が開始されるなどの影響でヘモグロビン値やヘマトクリット値などでも出血量を予測することはできません。SIは心拍数と収縮期血圧だけで出血量を想定することができるため極めて簡便であり,緊急時にはたいへん役立つ非侵襲的なツールとして利用価値が高まっています。
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