連載 災害時の母子保健 妊産婦を守る助産師の役割・7
支援のひきぎわ―自立支援の大切さ・難しさ
吉田 穂波
1
1国立保健医療科学院生涯健康研究部
pp.658-662
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102545
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被災地における助産師活動の背景
母子保健法に基づき,母子手帳の交付,保健指導,妊産婦の訪問指導,新生児の訪問指導,幼児の健康診査等の母子保健事業は市町村単位で行なわれています。新生児の訪問指導は,「(略)育児上必要があると認めるときは,医師,保健師,助産師又はその他の職員をして当該新生児の保護者を訪問させ,必要な指導を行わせるものとする」(母子保健法 第二章第十一条)とし,妊婦の健康診査については「(略)必要に応じ,妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して,健康診査を行い,又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない」(母子保健法 第二章第十三条)とされており,出産直後の母親の訪問指導に関する条項は特にありません。
一般的に,行政サービスとして無償で提供されているのは,両親学級・講座,妊婦健診,新生児・乳児・幼児の健診および訪問指導であり,市町村にもよりますが保健師が担当するケースが多いようです。助産師による出産後の母親のケアや母乳・育児指導は「自由診療」と位置づけられています。
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