連載 助産よもやも話・2
子宮はペースメーカーをもっている
進 純郎
pp.403-405
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102473
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「ペースメーカー」と聞くと,すぐ心臓を想像しますね。ちょっとそのしくみをおさらいしてみましょう。
心臓を動かす細胞同士のつながり
心臓のペースメーカーとは,ご存知の通り,静脈洞と右心房の間の洞房結節のことです。一生涯規則的に心臓が動き続けるためには,ペースメーカーから活動電位がリズムよく発生することが必要です。洞房結節に発生した興奮は,房室結節,ヒス束を経て,心室中隔で右脚,左脚に分かれ,心室内膜側に網の目のように広がるプルキンエ線維を通って,心臓全体にほぼ同時に伝わっていきます。これを刺激伝導系といいます。
興奮が心臓全体に同時に伝わるには,心筋細胞が隣同士つながっていることが必要です。しかし,ただ細胞膜だけが接していても興奮は同時に伝わりません。なんと心筋細胞では,ギャップジャンクション(ネクサス:nexus,架橋)と呼ばれるイオンの通路により,細胞内液同士が直接つながっているのです。
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