研究・調査
新しい分娩経過曲線の作成を試みて―若年初産婦例・高齢初産婦例の分娩経過曲線
川村 彩嘉
1
,
立岡 弓子
2
1名古屋市立西部医療センター城北病院
2北里大学看護学部
pp.710-719
発行日 2010年8月25日
Published Date 2010/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101705
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はじめに
出産年齢の背景(疫学的知見)
現在,女性の高学歴化による社会進出と晩婚化が進み,女性のライフサイクルで性成熟期にある20代の出生率が低下し,30代を超えてからの初産が増加している。わが国では35歳以上の初産婦を高齢初産婦と定義しているが,その数は年々増加している。また,若い世代の性の活発化から10代の妊娠・出産も増加してきている。
出生に関する統計2005(平成17)年度1)によると,過去3年間の若年初産婦(~19歳)の出生数は2002年1万9474人,2003年1万7563人,2004年1万6647人であり,全体の約3.3%であった。また,性成熟期初産婦(20~34歳)の出生数は2002年50万9407人,2003年48万2229人,2004年46万8619人であり,全体のおよそ88.1%,高齢初産婦(35歳~)の出生数は2002年4万2605人,2003年4万7366人,2004年5万2638人であり,全体の約8.6%であった。
1975(昭和35)年の統計では若年の出生数1万4698人(全体の1.7%),性成熟期の出生数83万2815人(全体の96.6%),高齢の出生数1万4838人(全体の1.7%)であったことと比較すると,出産年齢層の多様化が進んでいることは明確であると言える(図1)。
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