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『子育て支援 制度と現場―よりよい支援への社会学的考察』
小谷 博子
1
1東京電機大学先端工学研究所
pp.149
発行日 2010年2月25日
Published Date 2010/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101603
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本書は,今まさに子育てまっただなかの社会学者たちにより書かれたものであり,編者の白井氏は3人の男児,もう1人の岡野氏も3人の子どもを育てる母親研究者である。著者たちは,個人的な体験を手がかりに子育てや保育園のフィールドワークを進め,現代社会における子育て支援の社会的ありようを明らかにしている。
私は,著者の自らの妊娠・出産経験から始まるところに特に心を揺さぶられた。第1子の出産から,病院ではなく助産院を選び満足のいくお産を経験し,「保育園に預ける」ことはせずに,仕事と子育ての両立を自分1人で限界まで頑張り続けるのである。「これまで積み上げてきたキャリアを子育てを理由に断念することはしたくない」という著者の子育てと仕事の狭間に揺れる気持ちが痛いほどよくわかった。
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