特集 助産師を続ける・もう一度はじめる
助産師として働くこと・子育てすること
中村 麻子
1,2
1国際親善総合病院産科病棟
2東邦大学大学院医学研究科看護学専攻感染制御分野
pp.787
発行日 2009年9月25日
Published Date 2009/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101509
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- 文献概要
私が助産師をめざすようになったのは,中学校1年生のときだった。担任教師が妊娠し,毎日お腹が少しずつ大きくなる姿を見て,なんともいえない感動を覚えた。あのときから助産師になりたいという気持ちは変わらず,8年前,助産師になった。生命の誕生という最高の瞬間に立ち会える仕事に就く決意でいっぱいだった。
新人のころはひたすら業務に追われ,わからないことだらけで日々勉強に明け暮れていた。少しずつ現場に慣れ,今度は日常のルーティンワークに追われる毎日が続いた。昼も夜もない激務の現場で2年経ち,結婚。3年経ったころ,私は仕事にやりがいを感じなくなっている自分に気がつき,正直愕然とした。助産師になりたいと思ったときの期待や,その夢が実現した日の感動は,どこかに吹き飛んでいた。
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