レポート
ドゥーラサポートについて考える―日本の助産師がドゥーラについて学ぶ意義
岸 利江子
1
1イリノイ大学シカゴ校看護学部
pp.148-153
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100954
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はじめに
私が「ドゥーラ」という言葉を初めて耳にしたのは,学生時代,母子看護学の授業で「夫はドゥーラになれるのか」というテーマでレポートを書くことになったときでした。そのときはとくに感銘を受けたわけではありませんでしたが,数年後に,実際に妊産婦の方たちと出会う中でドゥーラという言葉が脳裏によみがえり,10年経った今,アメリカでドゥーラをテーマに勉強しています。読者の皆様も,ドゥーラという言葉は聞いたことがあるけれど,実際にどのような存在なのかを知る機会は少ないかもしれません。ここでは,北米におけるドゥーラの活動や,ドゥーラについての研究結果を紹介し,日本のお産を良くするためにどんなヒントが隠されているかを皆様と一緒に考えたいと思います。
助産師になる理由はそれぞれですが,妊娠・出産という女性の大切な時期に寄り添って援助することに,やり甲斐を見出した方は多いと思います。産婦さんや家族の方からありがとうと感謝されるときや,お産から何年経っても覚えていてくださって声をかけてもらえるときなどに,助産師になってよかったと感じることも多いかもしれません。周産期看護のより高度な知識や技術を身につける喜びだけでなく,生命の誕生や人との出会いの喜びも味わえること,それが助産師という仕事の醍醐味ではないかと思います。
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