特別寄稿
現代に生きるドゥーラークライエント関係—日本の助産婦へ
原 美奈子
,
ダナ・ラファエル
1
Dana Raphael
1
1The Human Lactation Center, Ltd.
pp.663-667
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900630
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「まったく今の若いもんは」,「昔はもっとゆったり子育てしたもんだ」。伝統が失われゆく嘆きはいつの世も聞こえてきます。きっと平成20年のおばあちゃんも,孫がベビーシッターに預けられると聞けば,同じことを言うでしょう。「昔はね,助産婦さんの言うとおり,どんなに忙しくても母乳をあげたもんだ」,「あたしらの若い頃は,ダンナは朝から晩まで働きづめ,子育てに口出しなんかしなかったよ」と。でもこれは世代間で方法が変化したからで,単なる違いであり,善悪の判断はできません。
刻々と移り変わる世の中で,赤ちゃんを迎えるときめきや興奮,時に相矛盾するさまざまな助言や忠告にいかに対応するかは,世代ごとに異なります。若い母親たちは常に新たな疑問に直面し,新たな答えを探すのです。そして助産とはこのプロセスを手助けする仕事であると気づいた時から,助産婦の意欲は倍加するのです。
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