特集 混合化する産科病棟―地域格差と時代の要請を超える「鍵」の在り処
現場レポート
病院内における助産師の自立―佐野病院「助産師分娩科」の取材を踏まえて
坪田 明子
1
1京都大学医学部保健学科看護学専攻
pp.681-685
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100796
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はじめに
近年,病院における産科病棟の環境は,少子化の影響もあって他科との混合化が進んでいる1)。混合化は,母子に対する助産ケアの質とともに,助産師の働き方にも影響する。病院内において,いかに助産師としてのアイデンティティを保ち,よりよいケアを目指していくのか。助産師たちは模索している。
ある病院では,助産部門を看護部から独立させ,助産師たちが助産ケアを独自の体制で提供し始めた。佐野病院の「助産師分娩科」である。通常の病院ではあまり見受けられない組織体制が実現した背景は,どのようなものだったのか。助産師分娩科で働く助産師へのインタビューを通して見えた,助産師分娩科の誕生過程と現在のシステムについて紹介し,病院内における助産師の自立について考えてみたい。
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