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「生殖補助医療部会」が出自に関する情報の全面開示を認めました
編集室
pp.348
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100510
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生殖補助医療に関しての基準策定のため,検討を重ねている厚生労働省の生殖補助医療部会で,2月27日,生殖補助医療によって出生した子どもに遺伝上の親を知る権利がどこまで認められるのかについて,部会としての見解を集約する話し合いがなされました。
提供者個人が特定される情報まで開示すべきか否かという問題をめぐっては,提供者のプライバシーを重視すべきとする立場から,現実的な問題として,情報の公開によって提供者が減少することが今後,生殖補助医療を継続していくうえで大きな制約となるのではと危惧する意見も出されました。しかし,子どもが自己のアイデンティティを確立するうえで「親」の存在を知ることは,その子どもの福祉という点からみて,とても重要であるとの意見が多数を占め,これを受けて,同部会では,子どもに出自を知る権利を認め,今後,本人が望めば,“遺伝上の親”である提供者の情報を全面的に開示するべきであるという見解を結論として了承しました。
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