特集 ―開業助産院からの報告―わたしが実践する,助産ケア
産後直後の助産ケア
杉山 道子
1
,
伊藤 充代
2
,
髙柳 起久惠
2
,
今野 雄子
3
,
嶋田 恭子
3
,
藪内 孝子
3
,
鴫原 操
4
,
木下 美保
5
1杉山助産院両国マタニティハウス
2山本助産院
3目白バースハウス
4鴫原助産院
5森田助産院
pp.782-786
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
鴫原助産院 鴫原 操
年に1人か2年に1人くらい,自宅出産で間に合わないことがあります。今までに間に合わなくて仮死となってしまったのは,先天性直腸閉鎖の児のみでした。間に合わないくらいのスムーズなお産は,出血少量のことが多く,児はピンク色で,会陰裂傷もないか,かすり傷程度で済むことが多いです。母は産むまでは1人でもできるのです。しかし,産んでしまったら動けなくなります。おそらく,助産師が最も忙しいのは,この時期でしょう。児娩出と同時にまず泣くかどうかが,第一の問題です。次に脱力感のなかにいる母に声をかけ,感激している家族と赤ちゃんの対面です。次に胎盤剝離徴候を見て,胎盤娩出。同時に出血と裂傷のチェックです。時にはこれらが同時にくることもあります。複数の助産師がいると,一斉に動き出すのがわかります。
一段落したら,すぐに直母を開始します。時間にして出産後30分以内が望ましいでしょう。そのときからすでに,「退院指導」というものが少しずつ始まるのです。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.