血縁を超える家族

　昨年12月，『「家族」をつくる―養育里親という生き方』(中公新書ラクレ)という本を出版した。23組の里親家庭を取材して，それぞれの子育て事情をルポしたものだ。

　里親というと，「親のいない子どもを引き取って養子縁組をする人」というイメージが強い。しかし，児童福祉法における里親の定義は「親はいても，安らげる家庭を持てない子どもたちを引き取って育てる人」だ。ちなみに，里親になるためにはまず児童相談所へ行き，一定の審査を経て，住んでいる自治体に登録しなければならない。