特集 第27回ICMブリスベン大会レポート
真の意味での「健康な国づくり」とは?―2005年ICMに参加して
藤原 ゆかり
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.1075-1079
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100325
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懐かしい国,オーストラリア
2005年7月24~28日にオーストラリアのブリスベンで開催されたICM大会へ,今回初めて参加した。実は,私はシドニー大学看護学部で学ぶ機会があり,シドニーに3年間住んだことがある。そのため第27回ICM大会がオーストラリアで開催されることを知ったときから,参加できる日をずっと楽しみにしていた。それがようやく実現して感慨深いものがあった。国際学会での発表も初めてだったので少し緊張したが,開催国のオーストラリアは私にとってとても身近で親しみやすい場所だったので,国際学会という大舞台をもうれしいものにしてくれた。
現在,私の取り組んでいる研究は,外国人が妊娠・出産・産褥を迎える際のケアをいかに向上できるかという,最近国際的にも関心の高まっている領域である。特に妊娠・出産・産褥は国や民族によってさまざまな文化的背景を有する。グローバル化が進みつつある昨今,民族的な伝統的文化を尊重するためには,実際の臨床現場でどのようなケアを提供できるかを模索している。今回の国際学会への参加は,こうした日本での状況をも他国に伝え,またタイムリーに諸外国の状況を知ることができる機会となった。
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