早期胃癌研究会
2005年7月の例会から
平田 一郎
1
,
芳野 純治
2
1大阪医科大学第2内科
2藤田保健衛生大学第二病院内科
pp.820-822
発行日 2006年4月25日
Published Date 2006/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100370
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2005年7月の早期胃癌研究会は7月22日(金)にホテルパシフィック東京で開催された.司会は平田一郎(大阪医科大学第2内科)と芳野純治(藤田保健衛生大学第二病院内科)が担当した.mini lectureは「下部消化管領域におけるEUSのあゆみ」と題して趙栄済(京都第二赤十字病院消化器科)が行った.
〔第1例〕 70歳代,女性.肛門管由来の悪性黒色腫(症例提供:京都第二赤十字病院消化器科 河端秀明).
X線と内視鏡は安保(札幌厚生病院消化器科)が読影した.X線では下部直腸の後壁~左側壁にかけて管腔の1/3~1/2を占める透亮像を認め,隆起性病変の存在を指摘した.隆起の表面は粗大結節状の凹凸を認めることより上皮性腫瘍を考えた.病変は歯状線上にあるように見え病変部位を加味して扁平上皮癌など特殊な組織型のものを考えたいとした.内視鏡では大部分が白苔に覆われた大きな結節状隆起性病変で肛門側は青黒い色調を呈していた(Fig. 1).肛門管由来の扁平上皮癌か,色調から悪性黒色腫も考えるべきとした.斉藤(市立旭川病院消化器センター)は白苔で覆われていない部分は平滑で血管腫とした.瀬崎(亀田総合病院消化器内科)は病変は分葉状だが表面平滑であり色調,病変部位を加味すると悪性黒色腫の典型像であるとした.鶴田(久留米大学第2内科)は拡大内視鏡写真から,pitがはっきりしないので同部は腺上皮ではなく正常な扁平上皮で覆われ,腫瘍は露呈していないとした.
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