特集 ―胎児の心地よい環境に必要なこと―妊娠と高血圧のメカニズムを知ろう
妊娠と血圧のメカニズムの基本
三宅 秀彦
1
,
中井 章人
1
1日本医科大学産科婦人科学教室
pp.790-794
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100271
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血圧とは
血圧は,心臓というポンプから送り出される血液量すなわち“心拍出量”と,その血液が血管を通る時の流れやすさである“末梢血管抵抗”の,2つの因子によって決定される動脈内の圧力です。心拍出量は,心臓に戻ってくる血液量に影響されるために体液量や静脈の拡張性と,血液を送り出す力そのものである心筋の収縮性に影響を受けて決定されます。また,末梢血管抵抗には,抵抗血管と呼ばれる小動脈から細動脈の壁にある平滑筋の収縮が大きな役割を果たしています。そして,これら心拍出量と末梢血管抵抗は,自律神経や複数の内分泌因子が複雑に絡み合って調節されています(図1)。
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