特集 「陣痛」と「麻酔」
麻酔分娩をどう考えていますか?―助産師側にある「麻酔分娩」への価値観
三國 和美
1
1宮城大学看護学部
pp.479-485
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100218
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「麻酔分娩」に対する抵抗感
欧米諸国では硬膜外麻酔分娩が高率に普及し,1997年の報告において米国では,多病床の産科病棟を有する病院で出産する全女性のほぼ2/3が分娩時に硬膜外鎮痛法を受けており,1981年の22%に比べその割合は大幅に上昇している1)。わが国でも,麻酔分娩が認識されはじめ,技術を提供する医師が増え,まだ多数とはいえないが麻酔分娩が行なわれている。
一方,分娩の場に立ち会う助産師の麻酔分娩に対する認識は高いとは言えず,否定的な立場をとる助産師も少なくない。臨床の現場や学会では,薬剤によって産痛を緩和する分娩は「主体的なお産」の対義語のように扱われているように感じる。
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