連載 ここがポイント!アレルギーの「保健指導」・1【新連載】
アレルギー疾患の予防,悪化防止,患者のQOL向上に向けた保健指導
荒木田 美香子
1
1川崎市立看護短期大学
pp.64-71
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201804
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連載のはじめに
私は8年間の養護教諭の経験があるため,2012(平成24)年12月に東京都調布市で小学校5年生の女児が給食による食物アレルギーで死亡した事件と,その時の学校の救急対応については大きな関心を持ってきた1)。また,自分自身もそばアレルギーであることは認識していたにもかかわらず,大学生のころにそばによるアナフィラキシーを起こした経験があり,アレルギーの怖さを,身をもって感じたことがある。2015(平成27)年度に日本看護協会の推薦を受けて,アレルギー疾患対策推進協議会委員となって以来,アレルギー疾患について関わってきた。
2017(平成29)年3月に「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的指針」2)が出された。この指針は,5年ごとに見直されることとなっており,今年度にその見直しが行われた。また,この5年間にアレルギー疾患に対する診療体制の整備や予防や治療に関する研究が多く出されており,これらの知見を自治体の保健指導や保健事業に反映させる必要がある。
そこで,本連載ではアレルギーの保健指導や保健事業を進めていく上で,押さえておきたい新たな知見やポイントを,これらの取り組みを進めてきた各著者に解説していただく。
この第1回では,アレルギーの保健指導の取り組みの背景や意義について,述べていく。
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