連載 統括保健師の日々・31
—北九州市の場合②—効果的・効率的な保健活動の展開—PDCAサイクルに基づく保健活動を展開するために
丹田 智美
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1北九州市保健福祉局地域福祉部 地域福祉推進課地域支援担当課
pp.169
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201128
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社会状況が変化し,健康課題も複雑化・多様化する一方,限られた予算,人員体制の中,効果的・効率的な保健活動が求められています。そこで,統括保健師としては,PDCAサイクルで保健活動を展開させていくことと,そのための仕組みを作ることが重要な役割と考えます。
北九州市では,PDCAサイクルに基づく保健活動の展開として,「地域づくり業務(地域保健活動)運営方針」を作成し,市民の健康な暮らしを推進しています。「地域づくり業務運営方針」とは,地域担当保健師が,地域において取り組む健康課題を明らかに(地区診断)し,その課題解決に向けた業務運営方針を毎年度作成するもので,統括保健師の部署にも提出します。作成の単位は,各区地域保健係長が作成する行政区レベルの「区地域保健活動指針」と,地域担当保健師が作成する約130ある校区レベルの「校区地域保健活動指針」の2つです。内容は,①データ等を活用した地域診断,②市の計画や重点課題を踏まえた区や校区において取り組むべき健康課題,③課題解決のための重点的な取り組み,④業務上の課題を解決するための目標(長期・短期),⑤事業活動計画,⑥評価指標からなり,これらを記載し,次年度の評価につなげます。ここから地域の特徴や実態,保健活動の状況が見えるので,本当に貴重な情報が詰まった資料だと思っています。
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