連載 [事例集]新しい健康日本21へのヒント・29
あだちベジタベライフ〜そうだ,野菜を食べよう〜―「健康格差対策の7原則」を活用した東京都足立区の取り組み
馬場 優子
1
,
近藤 克則
2,3
1足立区こころとからだの健康づくり課
2千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門
3国立長寿医療研究センター老年学・社会学研究センター
pp.586-594
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200483
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はじめに
2013(平成25)年4月から,健康寿命の延伸と健康格差の縮小をめざし「健康日本21(第2次)」がスタートした。ここでは,健康格差が広まる中で,社会環境の改善を図り,健康格差の縮小を図る1)という視点が明示された。
足立区でも「健康あだち21(第2次)行動計画」を策定するにあたり,基本的健康指標を確認したところ,健康格差,地域格差があることが確認された。そこで社会環境の改善も意識した「健康あだち21(第2次)行動計画」2)を2013年9月に策定し,区の健康課題である糖尿病に着目して健康格差の縮小をめざす「足立区糖尿病対策アクションプラン あだちベジタベライフ〜そうだ,野菜を食べよう〜」3)を開始した。
一方で,公益社団法人医療科学研究所では,健康格差対策の手引きとなるようなものができないかと研究プロジェクトを立ち上げ,「健康格差対策の7原則」4)(表1)を2015(平成27)年に取りまとめた。筆者も,最終段階で外部査読者として参加した。【始める】【考える】【動かす】の3段階からなる7原則は,健康格差対策を整理するうえで有用と感じられた。
本稿では,「健康格差対策の7原則」4)に沿って,足立区の事業を報告する。
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