連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・34
チームで考える住民からの暴言・暴力
中板 育美
1
1日本看護協会
pp.331
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200420
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米国の公報やILOのガイドラインには,地域保健や医療・福祉関係者の非致命的な職場暴力(WPV=Workplace Violence)の被害が,他の職種よりも高頻度にあると書かれています。日本では全国的なWPVの実態および発生頻度の調査は行われていませんが,2008(平成20)年の保健所への調査結果1)では,約50%の保健所が直近1年の間で不当な暴言・暴力に遭遇していました。
家庭訪問を活動手段とする保健師等は,住民の生活場面に立ち入りますが,その住民が自発的に訪問等を受け入れてくれるとは限りません。さらに病院等の固定した施設内と違って,バックアップしてくれる同僚や上司がその場にいないことなどの特性を考慮すれば,暴力に巻き込まれるリスクを抱えていると言えます。
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