連載 聞き書き 保健師ものがたり(特別区編)・1【新連載】
―佐々木峯子さん(前・足立区保健師)に聞く①―生活を知ることの大切さを知り保健師へ
木村 哲也
,
細川 えみ子
1
,
松原 定雄
2
1八王子市健康部・保健所
2東京都看護協会事務局
pp.332-336
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200421
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[公衆衛生の第一線機関]と言われた保健所を足場に,地域住民の健康のため,八面六臂の活躍をした保健師たちがいました。その基盤となっていた保健所が,1980年代から「専門・広域化」し,多くの保健事業は都道府県の保健所から区市町村に移されました。その後も,超高齢化の進行,疾病構造の変化,介護保険の実施の中で,地域包括支援センターの設置など,保健所の役割にも大きな変化が見られます。
この変動の中で,特別区(東京23区)においては,保健所は依然として住民の健康の「第一線機関」であり続けました。地域の健康問題に対して住民とともにどのように活動を展開し成果を上げてきたのか,カリスマ保健師たちの語りはドラマチックであり豊かな気づきや発見に満ちています。その心意気や手法を語り継ぐことは「公衆衛生活動の原点」を考えるうえで貴重だと言えるでしょう。
そこで2015年,特別区の保健師の先達にインタビューをしてその経験に学ぶという,有志によるプロジェクトが立ち上がりました。今回,その成果として4人の方からの聞き書きを連載という形でお届けします。1つの時代の記録として,また,後輩保健師たちの活動のヒントとして,受け取っていただければ幸いです。
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