連載 『保健婦雑誌』に見る戦後史・6
受胎調節という経験
木村 哲也
pp.808-809
発行日 2012年9月10日
Published Date 2012/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101964
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■「産めよ増やせよ」から「受胎調節」の時代へ
戦時以来の保健婦経験者に,戦後の活動との違いについて聞書きしていると,次のような答えが返ってきた。「戦時は産めよ増やせよの時代だった。戦後は逆に,人工中絶が大流行し,受胎調節の指導に力を入れた」。
戦争中,多産が奨励されたことは周知のことだろう。初の保健婦の身分法である保健婦規則の制定は1941(昭和16)年だが,これは,同年の人口政策確立要綱を受けてのものだった。保健婦自体が,戦時目的のために誕生していたのである。
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