特集 懸賞論文結果発表
エッセイ部門 テーマ:私のB面
佳作
小さな活動から町をあげての運動へ―3年間の環境浄化活動を振り返って
松本 由美
1
1熊本県甲佐町役場健康福祉課
pp.759-760
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100542
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2000年度から第5次甲佐町総合計画策定を住民参画で行っていくうちに,住民と職員の間に「自分たちでできることは,自分たちでやっていこう」という考えがうまれました。「ホタルが飛びかい,花が咲き,夢あふれるまちづくり」というテーマで,現在,町を流れる清流緑川をはじめとする各中小河川を,昔のような鮎が泳ぐ川にする活動をしています。本町のキャッチフレーズの「花と緑と鮎のまち」にふさわしくなるまちづくりに賛同した老若男女27名で「こうさ21まちづくり委員会」を発足し,ボランティア活動をしています。いまでは,町をあげての環境浄化運動へと広がり,美しい自然がよみがえってきています。
以前の清流緑川は,川で泳ぐ子どもたちの姿を見かけることが多く,手ですくい上げるほどの鮎や蛍がいる川でした。私たちは以前の川を取り戻すため,四季折々の花を川の周辺に修景し,月に1回,川の清掃活動を行い,また町の資源となっている木炭・竹炭を活用し川に沈め,週に1回,川の汚染源である米のとぎ汁を使ってEM発酵液をつくり,川周辺の各家庭の排水溝からEM活性液を流す,といった活動を始めました。活動開始後半年ほどたった頃から効果があらわれ,「臭いが消えました」「川がきれいになりました」「魚が見えるようになりました」「蛍がでますよ」と川周辺の住民から声が上がることが多くなりました。そこで,活動の実績,および各家庭の台所の排水溝から流すことで用水路に付着したヘドロが消え悪臭もなくなってくるというEMの効果を周知するために,行政区ごとに講演会を開催し,川の浄化活動に協力をしてもらうよう力をいれました。
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