連載 海外に学ぶ「保健師の専門性」への向き合い方・3
米国・英国に学ぶ保健師に求められる能力明確化の試み
鳩野 洋子
1
,
岡本 玲子
2
,
塩見 美抄
2
,
中山 貴美子
2
,
千葉 由美
3
,
尾島 俊之
4
,
別所 遊子
5
,
岩本 里織
6
,
田中 祐子
7
1国立保健医療科学院公衆衛生看護部
2神戸大学医学部保健学科
3東京医科歯科大学大学院医学系研究科
4自治医科大学公衆衛生学部門
5神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部
6神戸市看護大学保健学部
7神戸大学大学院博士後期課程
pp.865-871
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100210
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保健師の将来を議論するには「専門性の明確化」がまず必要
このシリーズでは,第1回で公衆衛生発祥の地である英国の地域看護活動のシステムと展開の実際を,第2回ではその英国の,日本と比較すると専門分化されている地域看護職の実態とその専門性を高めるための制度や教育内容について,紹介してきました。最終回の今回は,米国,英国における「保健師に求められる能力を明確化する試み」をお伝えしたいと思います。
現在,日本では保健師の今後や保健師教育のあり方に関して議論されていますが,なかなか具体的な結論が得られずにいます。議論が困難な理由の1つは,米国や英国にみられるような,教育や活動の基盤となる合意された「保健師の専門性」や「必要とされる能力」を明確にしたものがないためではないでしょうか。米国,英国をはじめとする諸外国では,国や州のレベルで,関係機関が「地域で活動する看護職(Public Health Nurse,もしくはCommunity Health Nurse)に必要とされる能力」を明確にし,それにもとづいた教育や実践活動が展開されています。その状況をお伝えしていきましょう。
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